THE HISTORY OF JVMS

JVMは、あらゆることに幅広く対応するパフォーマンスの実力者です。JVM®シリーズの起源を振り返り、JVM®シリーズがプロのミュージシャンにとって究極のオールラウンダーになった理由を見ていきます。

90年代の終わりにDSLシリーズをリリースし、Marshallは幅広い種類の歪み系アンプを揃え、21世紀に突入しました。スムーズなサウンドのJTM45からPlexiスタイルのオーバードライブ、または硬質なサウンドのJCM800や900まで、Marshallはあらゆるシナリオに対応するアンプを揃えていましたが、すべての機器を持ち運ぶのは難しく、費用も掛かります。プレイヤーは、スイッチ1つであらゆるシナリオに対応できるような多様性を真空管アンプに求めていました。 そこで登場したのがJVM410Hです。 2007年にリリースされたこの100Wヘッドは、必要なすべてのMarshallギター・サウンドを1つの強力なパッケージにまとめることを目的としていました。結果そればかりか、クリーンやモダン・メタルと言った当時Marshallのイメージに無かった両極のトーンも追加されたのです。

“THE JVM IS DAMN NEAR PERFECT! IT LETS ME DO ANYTHING I WANT.”
(JVMは完璧に近い。俺がやりたいことは何でもできる。)
COREY TAYLOR (SLIPKNOT & STONE SOUR)

これを行うために、JVMは4つのチャンネル(クリーン、クランチ、OD1、OD2)を搭載し、さらに各チャンネル内に3つのモード(グリーン、オレンジ、レッド)を持たせ、実質的に12チャンネルのアンプとしました。各チャンネルには独自の特性があるため、JVMは幅広いサウンド・キャラクターを提供でき、すべてのシナリオに適応します。

クリーン
これまでのほとんどすべてのMarshallアンプとは異なり、JVMのクリーン・チャンネルでは、ゲインがトーン回路の後に追加されています。グリーン・モードでは、ビンテージのMarshallアンプと同じようにボリューム・コントロールが回路から削られ、明るく、チャイムのようなクリーン・トーンを楽しめます。オレンジ・モードでは、ボリューム・コントロールを回路に戻すとともにEQ後にゲイン・ステージを追加し、レッド・モードではトーン回路の後にもう1段ゲイン・ステージを追加し、アンプをオーバードライブさせやすくなっています。

クランチ
このチャンネルは、トーン回路の前にゲインコントロールを行う方式に戻り、グリーン・モードでは、JTM45や1959をモチーフにしていますが、ゲインが少し高くなっています。オレンジ・モードに切り替えると、ゲイン・ステージ追加によりサウンドが2203風になり、レッド・モードでは極限までドライブさせた2203を彷彿とさせるようなサウンドとなります。

OD1
クランチ・チャンネルのレッド・モードと同様に、このチャンネル、特にグリーン・モードでは、極限までドライブさせた2203のフィーリングを再現しています。オレンジ・モードに切り替えると、もう1段ゲイン・ステージが追加されます。レッド・モードに切り替えると、Marshallを激しく咆哮させる、もう1段のゲイン・ステージが回路に追加されます。

OD2
このチャンネルはミッドの周波数が低く設定されているので、よりヘヴィなロックやメタルに最適です。グリーン・モードはハイゲインでの演奏に新しい可能性をもたらし、激しいリードやモダンなメタルに最適です。オレンジ・モードも同様ですが、こちらはゲインがさらに高くなっており、そしてレッド・モードでは…ご想像のとおり、さらにゲインが高くなっています。

その絶妙なトーンに加えて、Jimと彼の娘であるVictoria Marshallの頭字語から名付けられたJVMは、よりユーザー・フレンドリーにするためのさらなるトリックが隠されていました。そのトリックの1つは、真空管アンプであるにもかかわらず、JVM410Hは制御が容易なデジタル・リバーブを備えていることです。この回路は並列で設置されているので原音には影響しません。リバーブ信号は真空管を通った後に原音にミックスされるため、アンプのサウンドとぶつかることなくサウンドを引き立てます。これに加え、JVMは直列/並列両方のエフェクト・ループを搭載しており、ライブでもレコーディングでも状況に応じた最適なセッティングにカスタマイズできます。

"WHEN I DIE, THEY BETTER BURY ME WITH MY MARSHALL JVMS OR SOMEONE IS GOING TO HAVE HELL TO PAY!"
(俺が死んだら俺のJVMと一緒に埋めてくれ。じゃないと誰かが地獄行きになるぜ!)
DAVE MUSTAINE (MEGADETH)

これらすべての機能を上手に扱うには、28個のノブと8個のスイッチを備えた厳ついコントロール・パネルを使いこなす必要があります。ただ、一度コツさえ掴めば、驚くほど簡単に理解できます。基本的には4台のアンプが1つになっており、それぞれに独自のEQ、ゲイン、リバーブ、ボリューム・コントロールがあります。その上で、プレゼンス・コントロール、レゾナンス・コントロール、2つのマスター・ボリューム・コントロールがあります。これだけです。

ギタリストとしてコントロール・パネルを使いこなし、チャンネルごとに好みの設定を見つけることができたら、次はフットスイッチを活用してみましょう。これにより、プレイヤーはチャンネルやモードを瞬時に切り替えたり、自身のプリセットを読み込ませたりできるようになります。他の多くのフットスイッチとは異なり、JVMではアンプとの接続に通常のギター・ケーブルが使えます。JVMは、常にプロのギタリストのことを念頭に置いて設計がされているのです。

"THE BEST AND MOST VERSATILE MARSHALL YET"
(過去最高、かつ最も多彩なMarshallだ)
NEAL SCHON (JOURNEY)

JVM410HはすべてのMarshallトーンが一度に手に入る“ワン・ストップ・ショップ”と表現されるなど、専門誌のレビューは素晴らしい物でした。その後すぐ12”のCelestion V30と12”のCelestion Heritageスピーカーを搭載したJVM410Cコンボが発売され、さらに2008年にはJVM2シリーズが続きました。JVM2は基本的な作りはJVM4と同様ですが、2チャンネル(クリーン/クランチとOD)仕様となり、100Wか50W、コンボではスピーカー1基か2基かを選べます。

現在でもJVMは最初にリリースされたときと同じように、用途が広く、素晴らしいアンプであり、それは今なお様々なアーティストによってプレイされているという事実が証明しています。メタル・アイコンのMegadethやWhile She Sleeps、ポップ・アイコンのOwl City、さらにはEminemやKendrick Lamarのギタリスト’Freaky’ Rob Gueringerまで、JVMがあらゆる環境のすべてトーンに対応できることを証明しています。

関連製品