MARSHALL CABINET

ステージにそびえるマーシャルの壁…これこそロック・ライブ・ステージの象徴ではないでしょうか?

イミテーションは数多くあれど、マーシャルこそがオリジナルです。1962年、ジム・マーシャルの手によって4×12キャビネット世界で初めて生み出されました。それ以来、マーシャルは数え切れないほどのスピーカー・キャビネットを製造し、世界中のステージを飾ってきました。その4×12" キャビネットの成功に間髪を入れず最初のスタックが誕生しました。つまり、アンプ・ヘッド、アングルド・キャビネット、そしてストレート・キャビネットという布陣です。このスタイルはザ・フーのピート・タウンゼンドとの共同作業によって実現しました。ピートははじめアングルのついた8×12”キャビネットの製作をジムに依頼します。ジムは承諾しますが、ピートに「重すぎて移動に苦労するぞ」と忠告を与えます。

ところがピートはその忠告を聞き入れず6台の8×12”キャビネットが製作されましたが、当時のローディがその重さに耐えかねピートに文句をぶつけます。そしてピートはジムの元にもどり、素晴らしい音質を変えずにもっと実用的なものを作るよう頼んだのです。ジムはすぐに答えました、「半分に切っちゃえばいいのさ!」。かくして伝説のマーシャル・スタックがこの世に生を受けたのです。

例の6つの8×12" キャビネットは結局どうなったでしょう? 2台はピートが引き取り、2台はジョン・エントウィッスル(ザ・フーのベーシスト。2002年死去)が、残りの2台はスモール・フェイセズ(60年代、ザ・フーと並んでモッズ・シーンをリードしたバンド。スティーヴ・マリオットが在籍)の手に渡りました。 印象的なルックスと素晴らしいサウンドでマーシャル・スタックは最初からプレイヤー達の注目を浴びました。そしてその伝統が現在まで続いているのです。一気にロック・アイコンとして認知された結果、エレクトリック・ギターあるところにマーシャル・スタックありというほど普及しました。

マーシャルの4×12" キャビネットだけがオリジナルであり、その他はすべてイミテーションにすぎません。

コンパクト・キャビネット

マーシャルの4×12" キャビネット(1960、1960V)はステレオ・ラックシステムに完璧に適合しますが、ラック用に、またコンボのエクステンション・キャビネット用に完全マッチする2×12" と1×12" キャビネットも見逃せません。

コンパクトにして抜群の鳴りを誇る150Wの入力の1912には12”スピーカーが1台搭載されています。1912はペアで使えばコンパクトなステレオ・ラックシステムに最適で、1台で使用する場合にはコンボのエクステンション・キャビネットとして活躍します。2×12" の1922はモノ/ステレオの入力を持ち、やはりラック・システムに最適であるだけでなく、2×12" コンボのエクステンション・キャビネットとしてベストマッチします。大きめの1936も同様にモノ/ステレオの入力を搭載し、大型のラック・システムに適しています。

また、マーシャル・アンプヘッドとピッタリサイズなので併用すればコンパクトな2×12" スタックが組みあがります。

モノ / ステレオ・スイッチング

様々な使用法に対応すべくマーシャルのスタンダード4×12" キャビネット(1960A/B、1960AV/BV)にはモノ(4Ωまたは16Ω)とステレオ(8Ω×2)の切り替えスイッチが搭載されています。

2通りのモノ入力インピーダンスによりバラエティにとんだヘッドとの組み合わせを実現し、ステレオ入力はラックシステムをステレオで使用する際に有効です。1922と1936等の2×12" キャビネットはスイッチによるモノ/ステレオ切り替えはできません。

多様化するギタリストの要望に応えるべく、マーシャル4×12" キャビネットには3種類のスピーカーが搭載されています。

a)スタンダードな75W、G12T-75スピーカー(1960A/B)
b)リイシューされた25WグリーンバックG12M-25(1960AX/BX、1960TV)
c)ウオームな70Wビンテージ・スピーカー(1960AV/BV)

それぞれのスピーカーは固有のサウンドを持っています。キャビネットを選択する際には是非それぞれのキャラクターをチェックしてみてください。

また、ビンテージ系のキャビネットは「レバント」と呼ばれるスムースなカバリングを身にとっており、フレット・クロスもクラシックなルックスの「チェッカー(1960X)」や「EC(1960TV)」が使用されています。また、1960TVは通常の4×12”より3インチ背が高いためトール・ビンテージ(Tal Vintage=TV)と言う名で親しまれています。

特長

マーシャル・キャビネットは隅々まで職人の技が活かされています。木工の工程では、キャビネットのジョイント部分すべてにマーシャル自慢の「フィンガー・ロッキング」採用されています。この精巧な職人技は驚異的な耐久性を実現しているばかりでなく、鉄壁のマーシャル・サウンドをクリエイトします。

スタンダード・フル4×12”キャビネットには頑丈なキャスターが付属しているため、運搬も楽々です。マーシャル・キャビネットには鋭い金属のエッジやラフなジョイントなどはありません。8つコーナーにはABS樹脂性のコーナーガードが付いておりキャビネットを衝撃から守ります。

プロ・カバー・シリーズ

マーシャルではツアー中の激しい運搬からキャビネットを保護するパッド入りのキャビネット用カバーをご用意しております。