History of 1962 BLUESBREAKER

Looking back at a 60's icon.

60年代の象徴を振りかえって

“What more could you need? A true icon of an amplifier” – Mark Trotter, Lonely The Brave

(これ以上何が必要だって言うんだ?最高のアンプの一つだよ)

永遠に生きたいですか?我々がひそかに願い、そして世界中の科学者が不老不死の鍵を追い求める中、私たちはその答えをすでに見つけたと自負しています。時代を超えて愛されるアンプ、1962 Bluesbreaker®の世界へようこそ。

我々の多くの製品がそうであるように、1962の歴史は、とある有名なギタリストの活躍に深く関係しています。読者の皆様は、またPete Townshendでしょ?と思うかもしれませんが、彼ではありません。このアンプはCreamのギタリスト、Eric Claptonに関係があるのです。The Juniorsとのツアー中、CLAPTONは彼のMARSHALL JTMをギリシャに置き去りにすることを余儀なくされてしまいました。ロンドンに戻った彼は、「John Mayall and The Bluesbreakers」に再加入しましたが、ただひとつ、懸念がありました……彼はアンプを持っていないギタリストになってしまっていたのです。彼はJim Marshallに直談判し、Vox AC30くらいの形と大きさのコンパクトなアンプを作るように説得しました。Claptonがコンボアンプを探していた理由を尋ねると、Jimは後に「彼は車のトランクに全てを簡単に入れられるようにできるものが欲しかったんだ」と答えたそうです。

MARSHALLの最初のコンボ・アンプの開発は1964年初頭に行われました。これはJTM45ベースの筐体を基にしており、ギタリストにもベーシストにも適応する「ベース/リード」ユニットとして打ち出されました。また、こうすることで、それまでの多くのアンプに比べてトーンのレンジが拡がりました。

アンプが完成するとすぐにClaptonは2x12”サイズのコンボを後払いで購入し、その1962コンボと彼の愛機Gibson Les Paulとの組み合わせでBluesbreakerの有名曲の数々をレコーディングしました。レコーディングの大半でアンプはフルボリュームで演奏され、Claptonはフィードバックを巧みに操りました。このアンプがもたらしたのは完全に歪みきってはいない、深く豊かなサウンドでした。そのため、彼の音色は他のバンドメンバーによる演奏の中でもはっきりと響くのです。

Claptonがアルバムジャケットで読んでいた本の名前から‘The Beano Album’とも呼ばれる「John Mayall and the Blues Breakers with Eric Clapton」アルバムで使用されたため、1962にはBluesbreakerという愛称が生まれ、その名は瞬く間に広まりました。

1965年2月、このアンプは一般向けに発表されると、その衝撃的なルックスとサウンドで不動の人気を獲得しました。
最初のアンプは、ゴールドのパネル、ブラックのロゴ、ホワイトのスピーカー・フレットクロスというJTM45のスタイリングに、アルニコ15Wのスピーカーを組み合わせたものでした。そして同年8月、そのデザインは一新されました。グレーとホワイトのピンストライプのフレットクロス、スクリプト・ロゴ、シングル・ストラップハンドル、ストレートフロントのスピーカー・バッフルボードなどは、今では一目でわかる1962のデザインの特徴的な部分となっています。

進化したのはデザインだけではありません。多くの初期のアンプがそうであったように、Jim Marshallはミュージシャンからの提案をよく取り入れ、よりニーズに合ったアンプに仕上げていきました。そのため、外観は同じでも音色が異なることが多く、この時期のMARSHALL製アンプは全く同じ音が出ることは殆どありませんでした。また、この時期、Marshallは内部構造は同様で4x10インチスピーカーを搭載し、トレモロを内蔵した1961も発表しました。

その後、1962 Bluesbreakerは、技術の変化に合わせてアップデートされ、EL34真空管とCelestion G12スピーカーが搭載されました。Bluesbreakerは100Wフルスタック路線への移行に伴い、しばらくの間脚光を浴びることはありませんでしたが、真のヒーローは決して滅びません。現在のVintage Reissueシリーズのラインナップとして1962は、華麗なる復活を遂げています。

1962 Bluesbreakerは伝説的なアンプとしてその地位を揺るぎないものとしており、現在でもLaurie Vincent (Slaves)、 Dean Richardson (Frank Carter & The Rattlesnakes)、Andrew ‘Whitey’ White (Kaiser Chiefs)などをはじめとした、多くのアーティストに愛用されています。