THE HISTORY OF: DSL SERIES

象徴的なMarshallトーンにさらに汎用性を追加

90年代を通してアンプ界の覇者として君臨したJCM900の後継モデルとしてJCM2000 DSLは1997年の夏に発売されました。1959SLPの生々しいパンチとJCM900級のハイゲインを融合したJCM2000 DSLは、クラシックなクランチ、超ド級のオーバードライブ、きらめくようなクリーン・トーンも同様に素晴らしいことでその名を広めていきました。

もともと100Wと50Wのヘッドとして発売されたDual Super Lead (DSL)は、その名前が示すように、「クラシック・ゲイン」と「ウルトラ・ゲイン」というフットスイッチで切り替えが可能な2チャンネル仕様です。「クラシック・ゲイン」チャンネルには、伝統的なMarshallトーンを再現できるモードと、ゲインの高いモダンなトーンを再現する2つのモードがあり、1959スタイルのクリーン・サウンドからJCM800 2203のうなるようなサウンドまで幅広く再現可能です。一方、「ウルトラ・ゲイン」チャンネルにも2つのモードがあり、極限までドライブさせた2203の再現、もしくはそれ以上のハイゲインと強烈なミッドブースト・サウンドをボタン操作一つで切り替えできます。

EL34とECC83を搭載したDSLは、その卓越した汎用性から、あらゆるスタイルの音楽に完全対応できる初のMarshallアンプとして評価され、リリース時には、そのクリーン・トーンが特に称賛されました。 これに加えて、DSLはエフェクト・ループとリバーブを備えており、さらにその適応力を高めています。

よりポータブルなサイズへの需要の高まりを受けて、1998年にはDSLの20Wと40Wのコンボ・アンプを発売し、それぞれDSL201とDSL401と名付けられました。DSL401は、ステージでも、スタジオでも、または自宅でも等しく使用できるようにアンプの出力を半分にするパワー・スイッチも備えていました。

時は流れて2012年、MarshallはJCM2000 DSLに立ち戻り、かつそれをベースに最新のテクノロジーを備えた新しいシリーズを立ち上げました。この新しいDSLファミリーは、100W のDSL100Hと15W のDSL15Hというヘッド、そして40W のDSL40Cと15W のDSL15Cというコンボをラインアップしました。現代版のDSLシリーズは、オリジナルとほぼ同じ回路構成でしたが、新たなレゾナンス・コントロール、デジタル・リバーブ、2ウェイ・フットスイッチなどのいくつかの特筆すべき新機能も誇っていました。

DSLファミリーは2018年に再び拡大し、特に自宅で演奏するプレイヤーを対象とした1WバージョンのDSL1CおよびDSL1H は市場を席巻しました。これに加えて5Wコンボのバージョンアップ、15WコンボのDSL15Cと15WヘッドのDSL15Hが20Wバージョンに置き換えられるなど、すべてのプレイヤーがそれぞれのニーズに合った出力のDSLを選べるようになりました。

20年以上にわたって世界中の舞台で活躍し、さらにJeff Beck、Richie Sambora、Alex Deadman (Lady Bird)、Shauna Tohill (Rews)、Gary Mooreなどの相棒として選ばれてきた DSLは、今後さらに多くの人々のスタンダードになっていくことでしょう。