THE HISTORY OF: SILVER JUBILEE

王様にふさわしいアンプ。Silver JubileeはMarshallの25周年を記念して開発されましたが、何がこのアンプを特別なものにしているのでしょうか?

アンプ業界を25年間支配し続けるのは並大抵のことではありませんが、1987年、私たちはまさにそれを成し遂げました。そこで私たちは、自分たちが知っている唯一の方法 -新たな素晴らしいアンプを生み出すこと- で、祝いました。
その年の冬のNAMMショーで発表されたSilver Jubilee®は、Marshallの新しい時代の到来を告げるものでした。
Marshallの有名な黒、白、金のイメージを一新し、Jubileeはスタイリッシュなシルバーのカバリングにクロームメッキのコントロールパネルで仕上げられました。この限定アンプには全て、特別なシリアルナンバーと記念のプレートが付与されていました。

内部的には、JCM800シリーズの人気モデルである2203と2204を踏襲しています。いずれも真空管の出力段で、フルパワーの「5極管」モードからハーフパワーの「3極管」モードへの切り替えが可能です。つまり、100Wのヘッドを50Wに、50Wのヘッドを25Wにすることができ、その素晴らしいサウンドを維持したまま音量だけを下げることを可能にしたのです。
これは、EL34真空管の能動素子の動作を減らし、出力を下げるという巧妙な技術によって可能になったものです。五極管モードは明るくアグレッシブなサウンドですが、三極管モードではより滑らかで繊細なトップエンドになります。
その他、ゲイン量が異なる3つのモードからなるインプットゲインコントロールや、直列式のエフェクトループを搭載しています。

1987年以降、Silver JubileeモデルはJCM800シリーズに統合されました。Customシリーズと名付けられ、シルバーの外観から一転、従来通りのブラックのビニール仕上げにゴールドのコントロールパネルになりました。その後、JCM800はJCM900へと移り変わり、ここでSilver Jubileeは終了したかと思われました。しかし、このアンプはSlashなどステージで頻繁にこのアンプを使用するアーティスト達の台頭によってコレクターズアイテムのような存在となり、すぐに需要が再燃したのです。

時は進んで1995年、SlashはDownload Festivalに出演するため、渡英していました。この間、彼はJim Marshallと会い、彼の2555ヘッドの補充について話し合いました。そしてシグネチャーヘッドを限定生産することで合意し、1996年冬のNAMMで、その壮大な計画を世界に発表しました。Marshallのクラシックなカラー、SlashとJimのサイン、Slashのバンド「Snakepit」のロゴが入った2555SLは、まさに夢のアンプでした。さらに魅力的なことに、鑑定書と蛇柄模様のカバーも付属していました。Slashのフルスタック魂を余すところなく享受したいプレイヤーのために、Celestion Vintage 30スピーカーを搭載し、Slashのプレートを付けて仕上げられたマッチングの1960ASLとBSLキャビネットも発売されました。当然のことながら、2555SLは瞬く間に大ヒットしました。

2015年、Silver Jubileeシリーズは華々しく復活しました。2555Xは、シルバーのカバリングやクロームのコントロールパネルなど、オリジナルモデルと多くの部分が共通しています。バックパネルには改良が加わり、ロータリースイッチが取り除かれ、5つのスピーカー出力ソケットと販売国の電圧に対応した固定内部配線に変更されました。オリジナルのファンだったSlashやJoe Bonamassaのようなアーティストだけでなく、Dan Dorney (The Hunna)やJeremy Widerman (Monster Truck)といった若手のアーティストたちにも次々と導入されていきました。

大胆なシルバーのルックスとクラシックなMarshallトーンで、Silver Jubileeはアンプの歴史にその名を刻んでいます。 まさに不滅の男、このシリーズが新しい世代のギタリストにインスピレーションを与えることを私たちは楽しみにしています。