THE HISTORY OF 1974

究極の18Wスーパースターの知られざる物語。

Marshallが全ての爆音化に一役買ったことは皆さんご存じでしょうが、限界を超える方法はそれだけではありません。当時既に存在していた練習用アンプの市場を開拓するため、独自の低出力アンプの開発に着手したのです。そして1965年、18W MARSHALL 1974の発売により、私たちのビジョンは現実のものとなりました。精緻なハンドワイヤリングで知られるこのアンプは、スタジオプレイヤーのシーンを揺るがす存在になろうとしていました。

まるでBluesbreakerのミニチュア版のように、1974はグレーとホワイトのピンストライプ・フレットクロス、ホワイトのパイピング、スクリプトロゴを採用しました。それぞれに2つのインプットを持つ2チャンネル仕様で、トレモロとそのON/OFF用フットスイッチを搭載していましたが、他のアンプと同様、マジックが起こっているのはそのシャーシの中です。このコンボアンプはプリアンプに3本のECC83、パワーアンプに2本のEL84と整流回路に1本のEZ81を搭載していました。そして12”のCelestion製スピーカーが、スタジオユースに最適な特徴的で豊かなサウンドを実現しました。

しかし、これらの素晴らしい機能は高コストであったため、1968年には製造コスト削減のためにEZ81整流管を取り除いた20W仕様に変更されました。20Wの1974は前モデルと非常によく似たスタイルで、内部にプリアンプに3本のECC83、パワーアンプに2本のEL84とソリッドステートの整流回路を搭載しています。その後、20Wの新型ヘッドを中心としたマーケティングが展開されましたが、70年代前半にはシリーズ全体が市場からフェードアウトしていきました。

市場から姿を消して30年、1974は2004年にSummer NAMMで発表されたMarshall handwiredシリーズとして復活しました。1974Xと名付けられたこの復刻モデルは、オリジナルにできるだけ忠実でありながら、プレイヤーが満足できるようにいくつかの現代的な要素を加えて設計されています。特にCelestion Greenbackスピーカーのエイジド効果には最大限の注意が払われています。

1974Xはその帰還以来、Angus Young (AC/DC), Josh McClorey (The Strypes), Pete Doherty, Stone Gossard (Pearl Jam) Jake Kiszka (Greta Van Fleet), WILL FARQUARSON (BASTILLE) 、 WINSTON MARSHALL (MUMFORD & SONS)、など名だたるプレイヤー達が愛用しています。