ペダル・ヒストリー – Part 1

1966年、ファッションとサッカーがイギリス国民の興味の中心で、音楽の世界ではThe Rolling StonesとThe Whoがロックスターとして大活躍していました。Jim Marshallの店で最初のアンプが販売されてからちょうど4年後、Marshallのエフェクターが市場に出回ろうとしていました。その時代から残っているのは、Mick Jaggerの威風堂々たるステージングやPete Townshendのウィンドミル(=風車)奏法だけではありません。私たちのペダルも生き残っていますが、その初期からはたくさんの変化や追加が見られます。これはMarshallペダルのレガシーがどのように始まったかの物語です。

MARSHALL SUPA FUZZ
1967 – 1972

最初のMarshall JTMがFender Bassmanをモデルにしていたように、Marshall Supa Fuzzもまた、全く別のペダルをルーツにしています。1964年、Gibsonは最初期のファズペダルの1つであるMaestro Fuzz Toneを作りました。これは、Sola SoundがTone Bender(基本的にアメリカのものよりもサステインのあるイギリス版)を作るきっかけとなったものでした。

1966年には、3つのトランジスタを搭載し、太く飽和したファズトーンを生み出すTone Bender MKIIが発売されました。

その後、MarshallはSola Soundに連絡を取り、独自のファズであるThe Supa Fuzzを製作しました。このファズはTone Bender MKIIをベースにしていますが、回路はより低音のレスポンスが強調されるように変更されています。Supa Fuzzは1967年に12ポンド15シリング(2022年の貨幣価値で約210ポンド)という高額で発売され、1972年頃まで生産が続けられました。

Jimi Hendrixは、1967年からMarshall Supa Fuzzを使用し、その後Dunlop Fuzz Faceに変更しました。インターネット上で、JimiがロンドンのウエストエンドにあるSound Cityから初めてペダルをレンタルした時のレシートが見つかりました。Pete Townshend、Iggy and the Stooges、Jeff Beckは皆、Supa Fuzzを使用して演奏しています。今日ではMarshall Supa Fuzzは非常に人気があり、オリジナルのファズサウンドの1つとして広く認識されています。

MARSHALL SUPA WAH
1968 – 1974

1967年、Supa Fuzzに続いてMarshall Supa Wahが登場しました。このペダルもSola Soundによって製作され、同じく定評あるペダルColorsound Supa Wahに続くものでした。

多くのワウペダルと異なり、初期のMarshall Supa Wahはローゲインのゲルマニウムトランジスタを採用し、スムーズなサウンドと歌うような高音を実現していましたが、製造の途中でシリコントランジスタに変更されました。この変更により、ローエンドと深みが増し、一聴でわかる「チャッカチャッカ」というトーンに変わりましたが、60年代/70年代のグルーヴ感は健在です。

PART 2では、アイコニックな ’The Guv’nor’ と ‘Mark I’ ペダルをご紹介します。